全日本バレー、Vリーグ、大学バレー、高校バレーの最新情報をお届けするバレーボールWebマガジン|バレーボールマガジン


バレーボールマガジン>インタビュー>サントリー河野克巳さん「やりたいことは、いっぱいあります」

インタビュー

2015-05-25 17:51 追加

サントリー河野克巳さん「やりたいことは、いっぱいあります」

GMに聞く インタビュー

V1リーグ 男子

PIC_0027-s今回の「GMに聞く」は、サントリーサンバーズの河野克巳GM。

2014/2015シーズンを迎えるにあたって、サントリー・サンバーズは、かつてエースとして活躍し、Vリーグ5連覇の立役者ジルソン・ベルナルド氏を監督に招聘した。「SPIRIT&POWER」のスローガンの下、ジルソン新体制で臨んだV・プレミアリーグは、決勝でJTに敗れ惜しくも準優勝に終わったが、6位に沈んでいたチームが再び息を吹き返し、トップ争いのできるチームへと復活を遂げた。チームを導いた河野克巳GMが「優秀GM賞」を受賞。シーズンを終えたばかりの「統括」に、サンバーズがさらに目指すもの、そのためのアクション、そしてバレー界への思いなどをうかがった。

―V・プレミアリーグは準優勝という結果でした。GMとして振り返っていかがですか?

ジルソンが監督で帰ってきたことは話題性もあり注目もされて、一つ大きな力でした。「SPIRIT&POWER」のスローガン通り、チームに強い気持ちやメンタル的なずぶとさがほしいと思ってジルソンに監督をお願いして……実際にジルソンとプレイした選手は山村(宏太)だけですが、彼を含め栗山(雅史)ら若手も食いつきよくやってくれた結果が準優勝。試合内容を振り返ってみても、数試合淡白な試合がありましたが、全体を通して、意欲的で勝ちたいという思いが前に出ていたし、パワーを前面に出した展開が多かった。ここで負けてはいけない、ここで負けたら昨シーズンみたいに落ちていくというポイントの試合ではしっかり結果を出した、そういう強さは出たかなと。

―ファイナル6の初戦で堺に0-3で敗れてからのリカバリー、あるいはファイナル3など、そんな一面が見えました。

そうですね。見ていて強いなと思える試合がありました。ジルソンを呼び、てこ入れした部分が出てある程度の達成感はありました。中長期的に考えていた中でバレー界全体のことかもしれないですが、タフさが足りないと。日本人として必要なアイデンティティーと言うと大げさかもしれませんが、それを呼び戻す。その指導者は……と思ったときに、ジルソンしかいないなと。一緒にプレイして、日本人以上に日本人のマインドを持っている、そう思っていたので。

PIC_0028-s―そしてリーグでは「優秀GM賞」に! おめでとうございます。

名誉な賞をいただいてありがたい。Vリーグの幹事を4年ほどやったり、会議体にも出席したりして、自分で言うのはおかしいですが、何かしら貢献できたところを評価していただいたのかなと。それプラス、ジルソンを迎えて話題性でリーグを盛り上げた、その成果も評価していただけたのかなと思っています。

―今季からの「新方式」作成にも尽力されたとうかがいました。

Vリーグも世界を見ていこうと、世界で採用されているポイント制の導入などを佐藤(直司)理事が提案されて、我々もスカウトなどでブラジルやイタリアなど世界のバレーを見る機会があるので、試合の組み方などを提言させていただきました。

―具体的にはどういった?

佐藤理事の提案(たたき台)を見て、試合の組み方、ファイナル6などについて提言しました。最初は3試合という案もあったのですが、そうなると対戦しないチームがありファンに理由を説明しずらいということで、全部と対戦しましょうと。また、海外のようにファイナル6を2ステージやるという案については、日本では日程的に難しいだろうということで見送りになりました。

―実際に新方式でやられてみて、いかがでしたか?

報告では、全チーム、概ね評価していましたね。ファンの方もエキサイトできたし、消化試合が減った。ポイントの部分で2-3で負けたら1点のところを0点でもいいのではといった微調整の意見も若干ありましたが、まあよかったねと。

―ファイナルが一発勝負でなくても、という声もありますが。

前は3戦で先に2勝したほうが優勝というのがありました。賛否両論でしょうが、それは運営側に立てば非常にやりづらい。一発勝負なら集客もあわせやすいし、企業なので社長や役員の予定も組みやすいし、メディアにしてもそうでしょう。なので一発勝負で、そこで最終的に結果を出すでいいのではと。

―河野さんは2000年に引退されてから全日本のコーチ、サントリーの監督を経験されてからGMになられました。

GMになり、やる仕事は変わりました。「強化」から「運営」。なんとか今できているのは、その経歴で。コーチを4年間、監督を4年間やって、今、GM4年目ですが、運営だけ見て押付けても強化側でちょっと待ってよ、となるし、強化の方ばかり見ていては運営がうまくいかないということもある。“これ言ったら強化の方がしんどいな”とか、“強化の方からはこう言いたいけど、それを言うとわがままだろう”とか、自分が監督やコーチの立場を経験しているので自分で判断できる。これまでの経験があるからバランスよくできているのかなと。

―GMの仕事というのは具体的にはどのようなものですか。

(サンバーズは)会社の組織の一つ。CSR推進部という部署なので、当然、チームを運営するための予算の策定から始まります。強いチームであるために選手の補強や外国人をスカウトする、それには費用がかかるので会社と折衝したり。まあ「何でも屋」、かっこよく言えば「統括」です。いかに強く魅力あるチームにして会社に訴えていくか、そのためにどういう強化をしていくか。企業にとって価値のある、サントリーブランドを高めるための組織でなければならないし、普及活動や社会貢献、つまりはCSRも一つの仕事。そのためのさじ加減、橋渡し役でもありますね。

―GMになられて、よかったと思われたことは?

よかったと思うときは、やっぱり結果が出たときですよね。天皇杯や黒鷲旗を取ったり。ただ、よく言うんですけど、Vリーグは選手としてコーチとして監督でも優勝を経験させてもらっていますが、GMとしてはまだで……。あとは、試合だけでなくCSRの活動がメディアで発信されたりしたときにも達成感がありますね。

―CSR、社会貢献として、子供たちのためにさらにやっていきたいことは?

やりたいことはいっぱいあります。サンバーズの冠大会として中学生の大会を37年、小学生の大会を9年続けていたり、バレー教室を開いたりしていますが、そういうこともマンネリ化させずにやっていきたい。楽しめる、興味を持ってもらえる仕掛けは? といつも考えています。また、ジュニアチームじゃないですが、ああサントリーっていいな、将来サントリーに入りたいなと思ってもらえるような試みも。そう、堺さんみたいな……(ジュニアから初めてV・プレミアリーグ選手になった佐川翔選手は)トップリーグを目指して頑張ってきて夢がかなったわけですよね。非常にいいなと思いました。うちもそういうのをやりたいと。

>> インタビューのページ一覧へ戻る

同じカテゴリの最近の記事

コメント

Sorry, the comment form is closed at this time.

トラックバック