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会見・コメント

2014-02-07 23:47 追加

南部正司氏、全日本男子監督就任記者会見

ゲーリー前監督から交代する南部監督の就任会見

全日本代表 男子

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羽牟会長

1月29日の例会で男子強化委員会からの提案。現在パナソニックパンサーズ監督何部正司さんをシニアナショナルチームの監督としてご就任の要請をするべく理事会の決定をしました。

これまで1年近く率いて参りましたゲーリーサトウ氏は退任。経緯に関しては強化事業本部長の方から説明いたします。

ゲーリー監督就任以来、一生懸命積み上げてきた知識を生かしながら強化に邁進をしてきたわけですけども、結果がなかなか実らないまま男子チームの成績がきわめて厳しい大変残念な結果になってシーズンを閉じた。男子強化委員会、強化事業本部によってこのような結論に至りました。

 

荒木田強化事業本部長

9月8日、世界選手権の出場権を逸しました。われわれとしては、世界選手権には当然出場できるものと思っており、ひどいショックを受けました。9月15日には、強化担当者が数人始まり、まず、ゲーリー監督のことを全部見直そうということになりました。彼の力を借りて彼の構想、データもすべていただきまして質問をしながら、分析をしてレポートをまとめました。

ワーキンググループが全部やりましてそれをまとめたのが12月。

もう一回何をするべきか、もう一回考えたいと話をし、お互いの情報を共有しながら、12月9日、男子の第一回の強化委員会を開いて、ゲーリーが報告をした。頑張ったのは事実ではありますが、退出いただいて、どうするか考えた場合、アメリカのバレーと日本のバレーを融合するのは時期尚早ではないか。どういうバレーをするべきか、2020年に勝つためにはどうしたらいいのか。そういった話し合いがもたれました。

その時点では更迭するとかではなく自薦他薦で推薦し、プレゼンをし、話し合いをして、28日大阪で第3回の強化委員会。5人の候補者がプレゼン、5時間かけて行いました。そのときの決定が南部さん。プレミア監督としての実績、ブラジルバレーの知識、飽くなき向上心。これらが新しい全日本監督として推そうとした決め手です。

一月22日事業強化本部で決定し、パナソニックとの交渉もありまして、2月5日に受けていただけました。

――12月28日5人 5人の中にゲーリーサトウ氏は含まれていたか。

荒木田強化事業本部長

その時点ではゲーリーはプレゼンの中には入っていない。ゲーリーも最後の最後まで候補の一人ではありました。

――はじめて日本バレー協会として外国人監督を招聘してよかった部分、難しかった部分。

羽牟会長

私は彼が選ばれる過程から関与していた。

よかった点。ミュンヘンオリンピックで金メダルを取りました。それから40年以上経過したときに、胸を張れる結果ではなく年を経るごとに日本の立ち位置は悪くなっていた。

初の外国人監督を迎えたことで地殻変動的なことが起こって参りまして、自分たちのチームのことを考えがちなところが改善されました。

悪かった点。やはり外国人。ポイントではあったが、発生するコミュニケーション不足、アメリカのバレーと日本のバレーのバレー観に隔たりがあった。それを埋めるのを怠ってしまった。改めて申し上げたい。外国人だから,日本人だからと申し上げるつもりはない。

――一年間ゲーリーが指揮を執られて、スマートバレーボールを今後どのような形で引き継ぐのか、全く新しいものとして全日本男子を作り直すのか。一年でこういう形になったが、次の目標設定があるのか。

荒木田強化事業本部長

スマートバレーを掲げ、指揮を数ヶ月執ってもらえました。自立を目指して考えるバレーを植え付けてこられたが、結果が十分結びついてこなかった。間違いではなかった。ただしそこに、結果が、特に世界選手権予選を突破できなかった。

我々に残していただいた考えるバレーは私も含めて、日本バレー界の財産と継続していきたい。当然2020年オリンピックでメダルを取るビジョンも。アジアエリアで2位以上をめざしていきたい。

――苦しい中での新監督の就任 一番期待しているのは。

荒木田強化事業本部長

一番の失望は、昨年までのメンバーがそろっていて世界選手権の出場権をのがしたこと。リオにどうしても出るには若い選手に切り替えてどこまでやれるか。みんなで検討を重ねました。期待したいのは、昨年のバレーを見ていて感じて、気持ちが外に出ていない。技術的にも劣るだろうけど、一生懸命やるということ 一勝成長するということで進んでいただければ。

――今後のスケジュール。

荒木田強化事業本部長

ワールドリーグ、秋のアジア大会。東京で勝つために、はじめて五輪の選手ばかりにしてはならない。

――日本のバレーとアメリカのバレーは時期尚早とのことでしたが。もっと具体的に。

荒木田強化事業本部長

ゲーリーサトウさんが長い間携わってきたアメリカのバレーは、選手個々の心身共にトップアスリートがやっているバレーだった。そこまで日本の選手はいっていない。いろんなところで自立していない。まだまだアスリートとしてそこまでいっていない。日本人とアメリカ人、体の面でも劣っている。アメリカの最高の指導をそのまま持ってきてもだめなのではと。

サトウ監督と話し合ったが、(日本として)外せないのは練習して練習して技術を磨いてきた。そこが全く違った考え方。サトウ監督は2時間半の練習時間。その体制の中で、日本の選手がやっていけるかと考えたらまだできないんじゃないかと。ギャップを埋めることが考えられなかった。

――5人の候補者は日本人だけか。

荒木田強化事業本部長

名前は申し上げられませんが外国人もおります。

 

南部新監督

一企業チームの監督として主力選手を輩出 側面的にナショナルチームに貢献してきた。何か他の面でも貢献できないか。自らブラジルヨーロッパをまわって勉強をして参りました。特にブラジルにおいては9年間の交流、今も継続しております。私自身が世界に挑戦しようという思いになったのは、監督に当時企業チームの監督になってからいつからそういう舞台でやってみたい。男子の再建に当たりたい。確かに厳しい状況ではありますが、今までの自分の経験を生かしてなんとか男子バレーの復活に導きたい。

目標は、2020年に東京がきまり、そこで世界のトップ4のチームと対等に戦えるように。2016年には何が何でも出場するのが大前提。アジアでも1位の座に返り咲かなければならない。

――監督の掲げる一番のテーマは。

南部監督

日本の世界に誇れる長所は守りの部分、レシーブ、サーブレシーブ、ディグ。個々の部分をもう一度世界一にしたい。そして、ただ守りがよければ相手に勝てるかというとそうではない。攻めなければ勝てない。私自身が強く思っている信念は、攻防一体。守り、守りから攻め、この辺の技術を追求してチームを作りたい。

――2016年OQTまで時間がないが、この時期に監督につくことにどう思うか。

確かに強化する部分で残された2年半は短い、しかし世界大会をチャレンジする機会があります。それ以外にも海外チームと対戦する方法はたくさんあります。

――ゲーリーサトウの印象と引き継ぐ部分、変える部分。

南部監督

正直言えばナショナルチームの監督に対してクラブチームの監督が意見を言えるような立場ではない。そのときそのとき、強くしたいと思ってやられていた。答えることはできない。コメントを控えさせていただきたい。

トップチームと対等に戦うにはいくつか強化ポイントを挙げています。そこを改善すれば、今のような大差ではなくもう少し競り合いの展開を考えられる。相手にもプレッシャーが与えられる、相手チームの失点も増えてくる。

具体的にいうと、サーブレシーブ、サーブ、個々を改善することによって数字が上がってくる。今までよりプラスというより私自身の強化ポイント。正直今の日本の選手は、メンタル面で強いとは言えません。世界との大戦数が少ない。近隣に強豪国がある関係上、年中練習ゲームをする機会に恵まれている。

サーブについていえば、強いサーブを打てば、試合の後半になればミスをする。国際舞台でならしていけば改善すると思う。ロンドン五輪に視察に行きましたが、海外の強豪チームは20点以降も強いサーブを入れてくる。そうなるために、海外経験をどんどん増やしていきたい。

――選手起用について。

南部監督

選手起用のこと、私自身積極的に若い選手を選出していきたい。なぜなら、2020年の東京になりますと、今の中学生からターゲット。若い選手をできるだけ早い段階で呼んでいきたい。

若い選手だけではまとまらないのである年齢のところを軸におきながら若手も加えます。

――クラブチームの監督でリーグのまっただ中ですが。引き継ぎの部分は。

荒木田強化事業本部長

リーグはもちろん、男女黒鷲が終了後に全日本の活動期間が始まる。それを踏まえてパナソニックパンサーズの監督として黒鷲までやっていただく。エントリーは2月。

――今の日本の選手はトップに比べると心も体もいたっていない。クラブチームで選手を率いている監督としてもそうなのか。もしそうならばどのように改善していくのか。

南部監督

日本の選手は高さに対して慣れていない。そこに非常にコンプレックスも持っている。高いだけの国もある。そういったブロックに対しても、圧倒的に押されて負けてしまうそういうよわさがある。慣れてない。(それを克服するために)外に出て行く。

トレーニングのところ。諸外国から見ると体格では劣ります。体力は決して負けると思っていません。高さとかパワーだけではなく、敏捷性、アジリティ、すべての部分の体力的な部分で現状ではその域に達していません。(パナソニックには)代表選手を抱えていますが、その域に達していません。

――グラチャン終了直後には「リオまでは続投でいく」と発表されていたが。

桑田GM

おっしゃるとおりです。しかし、東京五輪が決定し、そこでなんとしても成績を残さねばならないとなった時に、このままで間に合うのかということが問題になった。また、ゲーリーさんの評価基準の一つに今年の世界選手権の成績があったが、それ自体に出場できなくなってしまった。それは大きな要因。

――東京五輪が決定しなければ解任はなかったのか。

桑田GM

お答えすることができません。

――契約ということでいえば、それならば来年のワールドカップで結果が残せなかった場合、南部監督は解任されるのか。

桑田GM

それはありません。その結果を踏まえて修正して臨むことになると思います。

――ゲーリー監督の任命責任については。

羽牟会長 

任命責任はあると思います。しかし、それをとるのが今なのかどうかは分かりません。ゲーリー監督を任命したことによって選手達が自発的に考えることを始め、30年間滞ってきた日本男子バレー界に新しい血を入れることができた、それは大きな収穫だと思っております。

――男女の強化費を変えていくかもしれないとのことだが。

羽牟会長
これまでは、どちらが強い,どちらが人気があるといっても、いろいろな綱引きがあり、結局は同じように配分してきた。これからはそうではありません。経営感覚です。費用対効果を重視して男子・女子・ビーチに配分していくことになると思います。

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